其の壱

たとえばニッケ飴。

どこにでもありそうなニッケ飴だけど、わた惣のそれは、昔の本当のニッケの味がするのです。

どこにでもありそうで、わた惣にしかないもの。それを求めて今日も店主は吟味します。

人の味覚の趣向は、おおよそ3歳くらいまでに決まってくるといわれます。

いくつになってもどんなご馳走に出逢っても、昔食べた「おいしい!」を越えるものはないのです。

世に言う健康食品はおいておりません。

「おいしい」と脳が喜んではじめて、からだのすみずみに栄養が届くのです。
「豊かなからだは豊かな心から・・・」がわた惣の大脳生理学です。

「トマトが赤くなれば医者が青くなる。」
これはイタリアの言葉ですが、昔から、食と医学が密接に関わり合っていることを示す言葉はたくさんあります。
「食」は生命の源。良い食生活は豊かな人生を築く大切な源です。